廣嶋玲子さんの【妖たちの四季】を読んで

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今回は、廣嶋玲子さんの『妖たちの四季』という本を読んで感じたことについて書いていきます。

目次

妖たちの四季の著者について

『妖たちの四季』は、廣嶋玲子さんの〈妖怪の子預かります〉シリーズの第三弾です

廣嶋玲子さんはファンタジーものを主に書かれている作家さんです

NHKで放送されている〈ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〉シリーズでも有名ですよね

そんな廣嶋さんが書いている『妖たちの四季』は短編集になっています

妖たちの四季について

本書は、短編が5本で1冊の本になっています

タイトルからわかる通り、春夏秋冬、それぞれの季節に沿って話は進みます

ただ、時代も登場人物もバラバラのお話になっています

春は華蛇族の姫 初音、
夏は津弓、
秋は玉雪、
冬は月夜公がメインとなりお話は進んでいきます

最後は千弥と弥助の2人のお話で終わります

思ったこと

今までの2冊が手に汗握る展開が多かったことから気合いを入れて読み始めましたが、心温まる話が多かったです

そして、今回の話で最大の謎だった千弥と月夜公の馴れ初めを知ることができます

表紙の絵も冬の話に出てくる一場面なので、より深く物語の中に入り込めます

また、過去の話だけではなく、これからの展開が気になる終わり方になっているお話もあり、本編にて書かれるのか、また短編として出るのか想像が膨らみます

印象に残った話

個人的に印象に残ったのは3つ目の秋のお話でした

このお話は玉雪が智太郎(弥助)と離れ、弥助と出会うまでの間のお話なのですが、全然本編に関係のない人たちの話が始終続きます

その登場人物たちのお話がとても悲しいお話で、その業を解き放ってくれるのが玉雪です

正直、今まで玉雪は居ても居なくても本編に影響がなく、存在感のないキャラだと思っていました

今回の話で玉雪がどれほど智太郎(弥助)を思っていたのかを感じることできるお話でした

千弥と弥助の絡みが濃過ぎて、あまり表に現れてなかっただけだと感じました

この話以降の4話、5話と続けて読むことで今後の話をより楽しく、これまでの話は別視点からより深く楽しめそうです

残念だった所

短編集ということで、このシリーズを全然知らない人でも楽しめるかもと思って読み始めましたが、読んだことのない人には背後の人物関係がわからないので楽しむことは難しそうです

ですが今まで1巻2巻と読んだ方ならより楽しめる内容となっていると思います

まとめ

本書はこれまでの話をより深く、そしてこれからの話をより楽しくしてくれること間違いなしの短編集です

バックグラウンドを知ることで人間模様(妖怪模様?)により濃く色が付き、物語の中にどっぷりと引きこまれる様になると思います

今後の展開への変化を感じるお話もあり、続編が気になります

2巻の続きではありませんでしたが、4巻への期待感が膨らむ一冊でした

ネタバレ

ここからは話の内容が分かるものが含まれています。
ご注意ください。

一話 桜の森に花惑う

春のお話は初音と久蔵が出会い、恋に落ちるまでの話です

千弥に酷く言われ泣きくれる日々が続いていた初音と、夜道で弥助たちを驚かそうと後を付けていた久蔵が妖の世界に迷い込み2人は出会います

2人は互いに話す中で、恋に落ちていきます

その恋が今後どうなるかは続々巻くらいで語られそうです

二話 真夏の夜に子妖集う

2巻のその後の津弓と梅吉のお話です

心身共に元気になっても「心配だから」と月夜公から外へ行く許可が下りない津弓

そんな津弓を気遣い、月夜公が弥助を連れてくるのですが、その時に一緒に梅吉も来てしまいました

月夜公の荒い移動方法に失神している弥助
そんな弥助に喜んでもらおうと2人は蔵で宝物を探す勝負をしますが、思わぬ事態に…

困難を乗り越えた2人は、今後数々のイタズラをしでかし「悪たれ二つ星」とおののかれるでお話は締めくくられています

三話 紅葉の下に風解かれ

玉雪が智太郎(弥助)を探しているときに出会う少年のお話です

智太郎を探しているとき、闇にけがれた子がいると聞き玉雪は会いに行きます

そこで出会った少年は智太郎ではありませんでしたが、少年を助けることを決めます

少年に付いている穢れが何なのか、そしてどうすれば少年を助けることができるのか、玉雪が奮闘します

少年や少年の母親について語られますが、それがとても悲しいお話でした

四話 冬の空に月は欠け

千弥が白嵐と呼ばれていた時の月夜公(雪耶)とのお話です

雪耶と白嵐は数十年に一度の封印の神事を共に行い、その過程で友情を深めます

雪耶と友人になった白嵐は、雪耶の双子の姉が結婚すると聞き、動揺している雪耶が下手な事をしない様に自身を囮に雪耶の心を守ろうとします

月日は流れ、雪耶の姉が亡くなり、真実を気づきかけた雪耶の心を守る為、白嵐は雪耶を怒らせ妖怪奉行所に捕まります

雪耶は白嵐が嫌っていた、力の源である瞳を抜き取り、人界へと追放します

今まで語られなかった2人の因縁についてでした

互いを思いやる関係が不器用な形で現れているお話でした

五話 忘れじの花菓子

千弥と弥助の話です

味噌を買うと言ったきり戻ってこない弥助を探す千弥

やっと見つけた弥助には千弥との記憶だけポッカリと無くなっていました

千弥の記憶を取った妖怪は…?

最後のお話は1巻の時からあとがきに書かれていた一般募集のオリジナル妖怪キャラクターが出てくるお話です

四話の白嵐と雪耶の話を読んだ後なので2人の応酬が楽しかったです

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この記事を書いた人

シンプルライフに興味がある三児の母
片付けのこと、子どものこと、お金のこと等を備忘録として綴っていきます

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