廣嶋玲子さんの『妖怪姫、婿をとる』を読んだ感想

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【妖怪の子預かります】シリーズ第5弾、『妖怪姫、婿をとる』を読んだので感想を書いていきます

作品名:妖怪の子預かります5
    妖怪姫、婿をとる
著作:廣嶋玲子
出版社:株式会社東京創元社
発行日:2018年1月12日

目次

『妖怪姫、婿をとる』について

【あらすじ】
初音と久蔵の交際をよく思わない乳母により、初音は家へと戻されてしまった 
久蔵は初音を取り戻すべく、王蜜の君の力を借り華蛇族の屋敷へ潜入するも早々に見つかってしまう 
初音を取り戻したければ3つの試練に合格しろというが、その試練がなかなかの難題で、、、

今回のお話は2つのお話に分かれています

最初のお話は久蔵が初音を取り戻すべく奮闘する話

次のお話は周りが話す後日談になっています

後日談では意外な繋がりがわかりました

内容

前回の終わり、久蔵が駆け込んできたところから物語は始まります

俺の許嫁がさらわれた!取り返すから、手をかしてくれ!

妖怪姫、婿をとる p17

久蔵に許嫁がいることは知っていても、誰かまでは知らなかった弥助と千弥は、相手が妖怪だったと聞き驚きます

初め久蔵嫌いの弥助は助ける気はありませんでした

ですが、どうしても許嫁が連れて行かれた場所まで連れて行ってほしいと土下座をしてまで千弥に頼み込む久蔵の姿に感動した弥助は久蔵を助けるよう千弥に求めました

養い子の願いを叶えたい千弥が久蔵の助けとなるべく連絡を取ったのは王蜜の君でした

王蜜の君の手を借りて、華蛇族の屋敷まで行った久蔵

初音を取り返すべく屋敷に入るも、初音の乳母である萩乃に捕まってしまいました

萩乃に捕まった久蔵は間一髪で王蜜の君に助けられ、説得の末、久蔵は萩乃から3つの試練を与えられることになります

久蔵は萩乃の出す3つの試練を乗り越えられのか

まとめ

今回のお話は久蔵が主人公のお話です

弥助や千弥の出番は少なく、代わりに久蔵の父や初音に使える蛙がよく出てきます

本編に添った話ではないので、この話だけでも楽しく読めると思いますが、3巻の『妖たちの四季』を読んだ後に読んだ方が2人の出会いからお話を追えて、より楽しめると思います

弥助の久蔵への評価

久蔵のことを見極めようと、萩乃は久蔵を嫌っている弥助と接触します

久蔵はどんな人間が聞かれ、弥助は久蔵についてたくさんのことを萩乃へ伝えます

それを聞き、ろくでもない男と評価が下されましたが、でも…と言葉は続いていきます

「(前略)だけど・・・芯から見下げ果てたやつってわけでもないってことだよ(後略)」

妖怪姫、婿をとる p54

認めるところは、ちきんと認めている弥助でした

ですが、言った後、久蔵を庇っているような気がしてそれ以降は、久蔵については語らないと口を閉じる姿に弥助の清らかさと子どもっぽさを感じました

もちろん、弥助を連れて行かれて怒った千弥が居たのは言うまでもない

3つの試練

乳母の萩乃から言い渡された試練は妖怪の子の面倒をみること

試練が始まる前から真っ青になった久蔵は太鼓長屋に駆け込み、弥助に助けを求めます

が、萩乃に根掘り葉掘り聞かれたことを怒っている弥助と、弥助が連れて行かれたことに怒っている千弥は一筋縄ではいきません

お願いの末、助言をもらえることになるのですが、千弥と久蔵ときどき弥助のテンポの良い掛け合いが続いていく文面はとても楽しかったです

次回

今回のお話は次回の予告も何もなく終わりました

次回はどんなお話になるか想像つきません

妖たちの四季のあとがきに何か書いてあったような…?ぐらいの記憶で、定かではありません

今回の話は怖いことはなく、みんな幸せは結末を迎えました

次の話はシリアス展開なのか、コメディな感じで進んでいくのか、いまから楽しみです

ネタバレ含む感想

ここからはネタバレを含む感想になります

ご注意ください

3つの試練が厳しい

今回のメインになるのが3つの試練です

妖怪の子どもの面倒をみるというものなんですが、弥助の所に預けられる子の比ではないほど変わった子が預けられます

さすが別れさせたい萩乃が連れてくるだけあり、みんな癖がとても強いです

1つ目の試練が貧乏神の息子
2つ目の試練が蜘蛛夜叉御前の娘 
3つ目の試練が影法師の子

個人的には1つ目の貧乏神の息子が一番読み応えがあり、終わり方も驚きの展開でした

もちろん他の試練も想像を超えていく展開でしたが、それぞれの試練が久蔵の良さがわかるものでした

その時、初音は?

久蔵が四苦八苦している間に、初音姫は何をしていたのか?

初音のことだから泣いて、部屋に閉じこもっているのでは?と予想していました

予想は的中しましたが、泣き暮らしていただけではありません

良いお嫁さんになれるようにと、蛙と一緒に花嫁修行をしていました

初音が料理をしている時、久蔵も料理をすることになるのですが、2人の出来たものの差が際立ち妖怪と人間の差なのか、器用さの差なのか本文中をヒントを探してしまいました

指を切り落とすと表現があるので初音の料理センスは初心者を通り越して危険な領域です

料理以外にも裁縫や掃除など頑張り、良いお嫁さんを目指しているのを感じました

健気ですよね

後日談

本編終了後、それぞれの主に使える妖怪が集まり慰労会を開きます

集まったのは使える主人の違う3妖怪

1匹目は月夜公を主人とする烏天狗の飛黒

2匹目は王蜜の君を主人とする寝言猫のおこね
(前巻、半妖の娘に出てきた、まるもの母猫です)

3匹目は今回の話によく登場した華蛇族の初音に使える青蛙の青兵衛

主人の違う3妖怪が持ち寄り、飲めや騒げやで、主人の愚痴をこぼしながら楽しく宴会をします

それぞれの関係模様が見えてきて、とても楽しかったです

思わぬ人が夫婦だったりと新たな一面に少しほっこりとした気持ちになります

ぜひ、最後まで読んでこのギャップを楽しんでください

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この記事を書いた人

シンプルライフに興味がある三児の母
片付けのこと、子どものこと、お金のこと等を備忘録として綴っていきます

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