廣嶋玲子さんの妖怪の子預かります8『弥助、命を狙われる』を読んだ感想

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今回は、【妖怪の子預かります】シリーズ第8弾
『弥助、命を狙われる』を読んだので感想を書いていきます

作品名:妖怪の子預かります8
弥助、命を狙われる
著作:廣嶋玲子
出版社:株式会社東京創元社
発行日:2019年6月14日

目次

『弥助、命を狙われる』について

【あらすじ】
白嵐を苦しめるため弥助を奪うと告げ、姿を消した紅珠。烏天狗たちによる必死の捜索が続くがなかなか見つけられずにいた。千弥は弥助への過保護ぶりを増し、弥助はそれをなだめ普段通りの生活をしたがった。しぶしぶながらも弥助の願いを聞き入れた千弥だったが、少しづつ魔の手が近づいていることに気づかなかった。

今回は久しぶりに弥助と千弥が主人公です

お話自体は本編と短編、あとがきで構成されています

(今回のお話は前巻からの続きになります)

内容

脱獄した紅珠を探すため妖怪奉行所の烏天狗たちはほぼ総動員で捜索にあたります

ですが、残念なことに時だけが過ぎるばかりで、捜査は進展しませんでした

そんな状況で養い親である千弥はいつも以上に弥助に対し過保護になります

長屋に月夜公の力で結界をかけてもらい、家の中だと安心だからと厠へ行くことさえ嫌がります

一方で弥助は普段通りの生活を望んでいました

自身が狙われていることに恐怖を感じているが、怯えて暮らすのは嫌だと言い千弥を説得し預かり屋を再開します

普段通りに過ごしていた二人

ですが、紅珠の魔の手は少しずつ弥助へ迫っていました

感想

前回の続きです

警備の厳しい中どのように弥助の命が狙われるのか疑問に思っていました

前回の終わりのよりに正面からくるのか、それとも弥助を狙うと言いつつ津弓が本当の狙いなのではと、いろいろと考えていましたが、とても巧妙な手段で弥助の命が危険にさらされます

まるで弥助の性格をしっかりと考えた上で立てられた計画の様でした

弥助のピンチ

見事に紅珠の術中に嵌り弥助はたびたびピンチになります

そのたびに警備は厳しくなりますが、あまり意味はなく、弥助は絶体絶命に!

それを見て取り乱す千弥

取り乱した末に月夜公を呼ぶところがとても好きでした

昔のように呼ぶ姿に、そしてその声を聴き動揺しながら駆けつける月夜公にドキドキです

弥助が死にそうになっているのも忘れて二人の友情に打たれてました

ぜひ、読んでほしいです

助けるための代償

紅珠の話はここで終わりますが、弥助を助けるために払った千弥の代償

残念がながら、それがどんなものなのか語られません

とても重いものだと語られるだけで、内容にまで行かないのが余計に気になる所です

お話の最後に匂わせる程度に出てきますが、それを軸に想像すると悲しい結果しか見えません

弥助にも話していないので二人の関係性に変化が訪れそうです

次回

あとがきに次巻の予告があり、残念ながら今回の続きではありません

続きは十巻になり、九巻では短編が沢山はいるようです

初音の出産の話などを・・・と書かれていたので、久蔵のリアクションを思うと今から笑ってしまいます

個人的には今回の続きがとても気になりますが、前回の短編でのお話のように本編にも短編の内容が出るかもしれないので、順番に読んでいこうと思います

ネタバレ含む感想

ここからはネタバレを含む感想になります

ご注意ください

本編「弥助、命を狙われる」

お話は本編、短編の2つで出来ています

本編自体は10個のお話から出来ていました

前回のあとがき通り、弥助と千弥が活躍する話になります

短編では、本編で起きたアクシデントのその後になっており、仲人屋の十郎と前回のお話に出てきた妖怪奉行所の武具師あせびのお話になります

狙われている弥助を心配し過保護になる千弥

普段通りに過ごしたいという弥助にしぶしぶ了承し、預かり屋を再開します

そこに訪れたのは茸の妖怪でした

茸の妖怪を預かりアクシデントが発生します

そのせいで弥助の様子が変わり余計に過保護になる千弥に、元に戻った弥助がなだめる図はいつもと変りない日常で、弥助の希望通りになっていると思いました

数日後、化けあざみの子を預かることになった

化けあざみの子にはとげがあり、分厚い半纏まで持参して弥助に害がないように備えていた

だが、いくら備えていても予想外が起こるもので・・・

弥助に刺さったとげですが、とっても痛そうでした

植物でここまで痛そうな表現はそうそうないのでは?という程に痛そうで、イラストに似合わず怖いと思いました

烏天狗の飛黒は紅珠捜索に出ていた

日夜問わずの捜索は疲労を蓄積し、烏天狗達は疲弊していた

そんな中で出る話題は暗く、そんな烏天狗達を鼓舞する飛黒

大いに話題に花が咲いた後、思い出したのは月夜公との出会いだった

今では右腕ポジションの飛黒ですが、彼にも月夜公に付き合い切れないと思った時期があったようです

飛黒のおかげで今の月夜公があると言っても過言ではないお話でした

なのに苦労が絶えない飛黒さん、、、

雲外鏡の孫を預かることになった

だが、孫から話を聞くうちに一時的に預かるだけでは不安に思う状況が見えてきた

迎えにきた雲外鏡にお引き取り願い帰宅させたが、事態は悪い方へと進む

弥助、ピンチです

今までもピンチにちょこちょこと合っていましたが、今回は命の危険を感じる物でした

弥助の話を聞いた久蔵が長屋を訪れます

心配してやってきた久蔵ですが、いつものやり取りに憤慨し帰ります

その後すぐに長屋にきたのは近くに住む男ですが、様子がいつもとは違っていました

久々に登場の久蔵ですが、今回も大活躍します

ここから物語は急速に進んでいきます

弥助の大ピンチに取り乱す千弥

「雪耶!雪耶ぁぁぁぁぁ!」

妖怪の子預かります8 弥助、命を狙われる p109

必死な声で月夜公を呼ぶ千弥、その声に反応してすぐに駆け付ける月夜公

友人だった頃を思い出させる場面でした

いくら探しても見つけられなかった紅珠は遊郭にいた

少しずつ弥助の命を奪う駒を進めながら、月夜公との出会いを思い返していた

やっと紅珠登場です

どのように紅珠が堕ちていったのかの回想です

無事、目を覚ました弥助

今までの経緯から月夜公の屋敷で保護されることになった

一番安全な津弓の部屋へ移動するため、弥助の負った傷を消そうと月夜公が術を発動した瞬間、弥助は苦しみだした

紅珠の策が実を結びました

毒に侵され気を失っている弥助の身体を使い、紅珠は千弥に提案をします

弥助を助けるために
1.紅珠を倒す
2.月夜公を倒す

2つの提案の内どちらを選ぶのか、この時点ではまだわかりません

千弥は弥助を助けるために、王蜜の君と会い、その後うぶめから目玉を帰してもらう

力を取り戻し、姿も白嵐だったころに戻った千弥は、紅珠の提案通り月夜公を殺そうと襲いかかった

始めは千弥の正気を疑った月夜公だったが、言動で千弥の本気を知り応戦する

予想外の展開でした

目玉を取返し、紅珠を見つけに行くと思っていたのに、まさか正面から月夜公と戦うとは・・・

戦いのシーンも地形が変わるのではと思うくらい凄かったですが、そこよりもうぶめとの対話が良かったです

大きな代償と払う、苦しむことになると言い、目の返却を拒むうぶめに対し

「平気さ。今ほどの苦しみはないだろうから」

妖怪の子預かります8 弥助、命を狙われる p147

そんなこと言われたらうぶめも返すしかありませんよ

千弥の愛を感じる場面でした

千弥と月夜公の戦いに決着が着くとすぐに紅珠が現れ月弥公の身体を奪っていった

愛する人の身体を手に入れ、大喜びの紅珠だったが月夜公の顔にある古傷を消そうとした瞬間、手をつかまれた

前の話で王蜜の君に声をかけた時点でお判りでしょうが、その予想で合っています

紅珠は今までの戦略が嘘かのように、あっけなく終わりを迎えます

紅珠を倒したことで弥助は目覚めました

身体に異常がないことを確認して長屋に戻ると久蔵が待っていた

久蔵と話していつもの日常に戻った感じがしているのに、小さなシミのように千弥が払う代償が少しずつ迫ってきている

そんな感じで本編は幕を閉じました

続きが気になる終わり方でした

短編 仲人屋のある一日

仲人屋の十郎と、妖怪奉行所で武具の管理をしているあせびのお話です

本編にもからむ形での短編になっています

(あらすじ)
弥助を守るために壊れてしまった土鈴の付喪神
粉々に壊れすぎていて自身では直すことが難しいと判断した十郎は、腕が良いといわれる職人が奉行所にいることを思い出し訪ねてみることにした

弥助を守った土鈴が付喪神になった経緯や、十郎の過去が語られるお話です

昔の十郎は商人だと思っていたため、全然違う過去にビックリしました

そして今回のキーパーソンあせびさん

かなり独特のお話の進め方をする人で、さっぱり、きっぱりした性格の姉御様でした

まとめ

題名の通り、弥助は何度も命を狙われていました

読んでいる時は分からなく、あとから明かされる内容で弥助が罠にハマっていることを知れます

千弥がいるから大丈夫と思っていましたが、紅珠の方が上手でした

そんな千弥ですが、弥助の命がかかった時はかなり頭の回るタイプになっていました

二人のせいで月夜公がアホな子に感じる場面も・・・

紅珠のお話は終わりですが、残念ながらまだ千弥の目玉の代償については謎のままです

匂わせて終わり、次に来るのは短編集

早く10巻が読みたいです

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この記事を書いた人

シンプルライフに興味がある三児の母
片付けのこと、子どものこと、お金のこと等を備忘録として綴っていきます

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