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熊谷はるかさんの【JK、インドで常識ぶっ壊される】を読んで
今回は、熊谷はるかさんの『JK、インドで常識ぶっ壊される』という本をよんで感じたことについて書いていきます
著者について
『JK、インドで常識ぶっ壊される』は熊谷はるかさんが、自身の経験を書籍化すべく「第16回出版甲子園」へ応募し、グランプリを受賞した作品です
熊谷はるかさんは、この大会初のグランプリを受賞した高校生でした
14歳から17歳まで過ごしたインドでの生活を書籍にしたお話になります
JK、インドで常識ぶっ壊されるについて
本書は5部で構成されています
著者がインドへ行くことが決まり、実際に生活し、帰ってくるまでの話になっています
1章では行くまで
2章ではインドという国について
3章ではインドの常識について
4章ではインドと日本の差について
5章ではインドで経験したことを書いています
感想
表紙から、題名から、想像していたのは、日本と全然ちがうってことを前面に出した旅行記なのかと思っていました
ですが、読み進めていくうちに、旅行記ではなく滞在記であり、全然ちがうの重みをひしひしと感じる内容でした
初めのうちはインドに引っ越すことになった時の心境など、うんうんと相槌を打ちながら読んでいました
読み進めるうちに、インドを知り、現実を知り、1人の力ではどうしようもできない無力感を感じることになりました
これを10代が感じて、文字として起こした事が衝撃でした
若いからと意味ではなく、向き合うと決め、やり遂げたこと(書籍化)に感動しました
インドの常識について
海外なので日本とは異なる常識がありのは当たり前です
歯磨きの時も水道水は使わない、
カースト制度がある、
その辺に野良犬がいる、
野良犬以外の動物も沢山いるなど自分の知らないことが沢山書かれていました
その中で一番驚いたのは時間感覚です
本書の中でインドのお宅へ招待されるシーンがあります
言われた時間より10分程遅くついた著者一家でしたが、相手家族に驚かれます
なんと、インドでは指定時間に行くのは非常識に当たるみたいです
指定時間よりも2時間程後ろ倒しが普通なようです
日本は時間には厳しいので、ギャップに驚いてしまいました
インドの英語
本書にはたびたび女性のお手伝いさんがでてきます
本書の中で彼女は英語がうまいと書かれていました
インドの北東部出身で、様々な国が隣接する地区で育ち、土着民族も多く、様々な言語が使われていた為、共通言語として英語が頻繁に使われるようになったためと理由が出てきます
インドの全ての人が英語を話せるわけではなく、話せる人がみんな上手なわけではありません
インド独特のイントネーションの英語を話す人がでてきたりもしていました
でも、やっぱり使うってことは身についていくものだと思いました
大陸で沢山の国と接しているからという理由を抜きにしても、話せなくても話していく、その姿勢がいいなと思います
インドの驚きの現実
インドはカースト制度があり、格差があります
それについて知っていても意識をしたことはありませんでした
本書では貧困地域にボランティアへ行く話があります
スラムへ行きその地域の子どもたちと関わる中で貧困という物を知っていきます
児童保護の団体と関わる中で、児童労働や児童奴隷があるという事実を知ります
著者は本書の中でJKとしてできる活動をしていきます
正直にいうと読んでる途中で、でも私には出来ることなんてない
距離も離れているし、習慣も違うからと思っていました
鉱山に駆り出された子どもが、化粧品、特にアイシャドウなどに含まれるグリッターやラメを採っている写真を見て、どきっとした。自分も、知らずしらずのうちに、児童労働の手助けをしていたかもしれない。知らぬが仏は、他人にとっては悪魔になりえるのだ。
熊谷はるか(2021)
JK、インドで常識ぶっ壊される ㈱河出書房新社
この文章を読んでどきっとしました
それまで思っていたことを見透かされた気がしました
知ることは自身に出来ることを知っていく第一歩になりえると思いました
終わり方
最後は足早にお話は終わっていきます
それまで丁寧に書かれていた分、急に加速する世界についていくのがやっとでした
その加速された世界が、現在の書籍に繋がっていると思えば納得できました
昔の話ではなくつい最近、体験された出来事だという事を再確認するような終わり方でした
まとめ
今まで読んできた、どのインドの本よりもインドのことを深く知れる内容の本でした
本書の中で著者本人も「青い」と表現していますが、そのストレートな表現がリアリティを高めていました
読み終わったあと、表紙をみて、この表紙からは考えられないような内容のお話になっていました
でも、このポップな感じでなかったらきっと読んでいなかったと思います
この書籍の印税の一部は、インドの子どもたちを支援する団体に寄付されるようです
著者の思いが形になり、お金になり、助けになる
ステキな循環が起こる作品です
今後、続きを書かれるかは分かりませんが、もし出版されるならぜひ読んでみたいです