【感想】茉莉花官吏伝16ー 待てば甘露の日和なり

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*ネタバレとなる内容が含まれます。

今回は、茉莉花官吏伝16『待てば甘露の日和なり』の感想です

作品名:茉莉花官吏伝16
待てば甘露の日和なり
著作:石田リンネ
出版社:株式会社KADOKAWA
発行日:2024年5月15日
定価:710円(税別)

目次

『茉莉花官吏伝16』について

前回、反皇后派に属していた湛楊宏が何者かによって殺害された

今回はその犯人を捕まえるお話です

【あらすじ】
蓮舟が殺人事件の容疑者として捕まったが、疑いは晴れ釈放されることになった
容疑者が絞りきれず、真犯人捕まえるために大掛かりな計画を立案する
その計画には真犯人を捕まえる以外の思惑も絡んでいて、大勢の人を巻き込みながら進んでいく

内容・感想

前回途中で終わってしまった殺人事件の犯人を捕まえるお話です

犯人を捕まえる計画の実行中、何度も雲嵐の心理描写があり雲嵐の成長を楽しめるお話にもなっていました

御史台の人間関係に変化

前回は御史台へ配属されたばかりで、蓮舟との対立があったり、周りと馴染む努力をしたりする内容がありましたが、今回は仲良く計画を立てて犯人を捕まえようと奮闘します

あれだけ敵対視していた蓮舟が、最後には茉莉花の物語を書くとまで言い出します

蓮舟的には嫌がらせらしいのですが、流石に嫌いな相手のお話は書きませんよね

ツンデレ君です

他にも御史台内で上手く、翔景の代わりとして動いているように感じました

蓮舟との勝負は延期になりましたが、今後部署が二分化されることはなさそうです

雲嵐の変化

今回のお話で一番変化があったのは珀陽の異母兄、雲嵐です

始めに出てきた時は孤高な感じの雲嵐でしたが、茉莉花と接するうちにどんどんと変化が訪れます

始めは自分には関係ないこと、人付き合いは一線を引くタイプに思いました

それがページが進むにつれて斜に構えていたのが、嘘のように素直になっていく姿に礼儀正しい犬を思い浮かべてしまいました

自己完結せずに少しづつ自身の言葉を口に出すように変化する雲嵐に注目です

演じる

殺人事件の犯人を捕まえるため雑劇を演じる茉莉花ですが、劇だけではなく日常生活の話が出てきます

わたしは劇に出演したことはありませんが、後宮にいたときからずっと、貴女の敵にはならない後輩という演技をしているんです。(後略)

茉莉花官吏伝16 P223

試演会の後に、雲嵐と茉莉花の雑談中に語られた言葉です

確かに初めの方はそんな態度が多かったなと、懐かしく思いました

自分から進んで大きなプロジェクトを計画するなんてなかったので茉莉花の成長を感じました

次回

犯人も捕まり、やっと商工会の話が進むと思ったら、采青国へ出張です

新しい国、新しい人間関係、そして珀陽から与えられた任務

全然予想できなくて早く次巻が読みたいです

ネタバレ含む感想

ここからはネタバレになります

ご注意ください

本書は序章・終章を含む全6章とあとがきによって構成されています

序章

前回のお話の大まかなあらすじと、殺された湛楊宏が所属していた反皇后派動き、そして湛楊宏を殺害した間諜の動きについてかかれています

蓮舟と茉莉花の勝負は延期となり、真犯人を見つけるため牢に入っている蓮舟を情報を共有します

他にも今回の主要となる人物の行動について書かれていました

反皇后派は湛楊宏を殺害した犯人や湛楊宏が残したと言われる暗号文を気にし、
異国の間諜は捜査の動きや新たな情報の入手先を探したりなど、
それぞれの思惑が交差して湛楊宏の事件をより複雑にしていました

第一章

湛楊宏を殺害した容疑者を100人ほどに絞ったが、その後どのように犯人を見つければよいのか悩んでいた
天河や大虎と話し、あるアイデアが浮かぶ
それには蓮舟の協力が不可欠でまた悪女を演じることにした

最善と思われる道を最短で突き進む茉莉花ですが、今回は天河のやり方や大虎の行動を参考にして、遠回りでも着実に相手を絞る方法を取るようです

その方法のために蓮舟の力を借りたい茉莉花

ですが、まだ茉莉花を敵対視している蓮舟に普通にお願いはできず、脅すことになります

蓮舟の協力を得るために、また悪役を演じることにした茉莉花ですが、今回は大虎と雲嵐も参加し3人で代わる代わる悪役をします

ちょっと的外れな脅しかたをする大虎や
武官式の脅しかたをする雲嵐
そして逃げ道をふさぐように脅す茉莉花

それぞれの脅し方の違いを楽しめます

ただ、蓮舟は茉莉花の事を本当に悪女だと思っているの溝が深まりそうです

第二章

上手く蓮舟の協力を得た茉莉花は、周りに根回しをして、珀陽から間諜を炙り出す計画の許可を貰う
暗号文の強奪や逆恨みにより、御史台に属しているだけで襲われる可能性があると注意していた矢先、雲嵐が何者かに刺された

茉莉花は上手く蓮舟の協力を取り付け、犯人を見つけるために人気作家である州漣に脚本を書いてもらうことになりました

犯人だけが知っているはずの情報を組み入れて、じわじわと相手を追い詰めていくそうです

そして流石は州漣先生
恋愛と事件を上手く結びつけて、誰が読んでも引き付けられるお話となっているようです

刺されて時間を持て余した雲嵐が仕事が満足できないことに罪悪感を持ちながらも読み、続きが気になるくらいソワソワしていました

今まで少し距離があった蓮舟、雲嵐ですが本を通して茉莉花との距離を縮めているようです

第三章

人気作家州漣の新作「罪の告白」が月長城で回し読みされ人気になっていく
小説は4話で終わり、残りは脚本となり御史台が試演会を開くことになった
小説の内容が自身と重なること多々あり異国の間諜は焦る
そんなとき、珀陽が試演会を見たいと言い出した

湛楊宏殺害の犯人を見つけるために書かれた「罪の告白」

そしてその本の普及活動を行うのは茉莉花です

商工会と劇団で天命奇航を雑劇にという話があること
州漣先生が脚本に挑戦するために書いた短編であること
試し読みにと渡された小説が商工会長から官吏に渡り話題になっている

もともと有名だった作家の本が、本屋では手に入らないというプレミアがついて出回ってます

内容は政の主流派に属さず活躍の機会がない主人公が異国の間諜である女性胥吏と恋に落ちる話

最後にでた話は主人公が胥吏を殺そうとして、胥吏に殺されるところまででした

犯行の方法や遺体の処理方法に犯人しか知らない情報を使うことで、犯人をじわじわと追い詰めていくようです

続きは脚本となり、それは試演会のメンバーのみが持ちます

試演会のメンバーは茉莉花・雲嵐・蓮舟・大虎

雲嵐は安請け合いしたせいで演技をすることになるのですが、その時のやり取りが楽しかったです

「たしかに俺は協力すると言ったが、これはいくらなんでも無理だ……!俺は劇に出たことがない!」

茉莉花官吏伝16 P152

お願いという形を取り、どんどんと雲嵐を丸め込んでいきます

そんな風に茉莉花たちを行動を共にする内に雲嵐にも変化が訪れます

第四章

珀陽の前で演じることになった試演会
台本も持ちながらやれば良いと思っていたものが、きちんと演じなければならなくなった
茉莉花・雲嵐ともに演技に苦しむ中、無事に珀陽の前で試演会をやり遂げる
そして計画通り間諜もその試演会を盗み見て、早急に暗号文を盗むことを決意する

悪役の演技に引き続き、今回も演技に苦戦する茉莉花です

練習時の掛け合いがとても面白い

恋している人を見たことはないんですか!?という蓮舟の言葉に対し

「勿論あります。後宮の女性のほとんどは陛下に恋をしていましたから」

茉莉花官吏伝16 P199

そう返す茉莉花の言葉を書き留め、ネタにしようとする蓮舟などテンポよく進みます

茉莉花も雲嵐もアドバイスなどをうけて無事に試演会を終えます

が、犯人捜しはここからでした

異国の間諜は試演会で重要な役割を果たした暗号文が、湛楊宏の事件でも重要な物になるのではないかと危惧します

間諜が一人で動くのかと思いきや、湛楊宏が所属していた反皇后派を上手く使い、茉莉花と蓮舟が襲われてしまいます

手に汗握る展開と思いきや、茉莉花の念入りに計画した策略がここで明らかになります

終章

茉莉花たちを襲った反皇后派が捕まり、異国の間諜の正体も分かり、事件は終結を迎える

それぞれの人間関係の変化が分かる章でした

珀陽と雲嵐はお茶を飲み雑談を交わすことが出来るような仲になりました

ただの同僚でしかない相手や、ただの異母弟だと思っていた相手が、自分にとって大事なもので、今からでも大事にしたらいいとわかったのだ。

茉莉花官吏伝16 P258

茉莉花たちとの関係も、悩んでいた友人との関係もひと段落ついたようです

そして重要なのは珀陽と茉莉花です!

二人は久々に二人の時間を過ごします

雑劇を雲嵐と一緒に演じると聞き嫉妬していた珀陽に対し、茉莉花が脚本を一緒に読もうと提案します

言葉だけですが、恋を自覚する場面を読む二人は互いを「独占」していました

茉莉花との楽しい時間を過ごした珀陽が帰宅時に茉莉花との出会いを振り返るのですが

たしかにあともう少しで茉莉花と出会った春がまたやってくる。
あれからまだ一年という気持ちと、もう一年という気持ちの両方があった。

茉莉花官吏伝 P278

あれ?
一年??

と、考えてしまいました

本書の途中で

茉莉花は、太学にいたころの自分を思い返した。
すると、まだあれから一年も経っていないのに(後略)

茉莉花官吏伝 P143

とあるのですが、感覚的には2~3年経ってると思っていました

いろいろな所に行っているからそう思うのかもしれません

そしてもう1つ

蓮舟が茉莉花を題材にした新作を書くことを本人に伝えます

一番最初に出てきた皓茉莉花の本が書かれます!

一瞬この巻で小説が終わるのではないかと焦ってしまいました

ですが、次回は新しい国、采青国!

お話がまだ続く様で良かったです

ここまで読んでいただき、ありがとうございました

麻(アサ)
シンプルライフに興味がある三児の母
片付けのこと、子どものこと、お金のこと等を備忘録として綴っていきます
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