【感想】茉莉花官吏伝⑧ー三司の奴は詩をうたう

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〈茉莉花シリーズ〉第8弾

視察をいう名目でラーナシュと叉羅国へ行くことになった。だが叉羅国に入ってすぐの宿で襲撃に合いバラバラになってしまう。一人首都に向かい歩いている道中、盗賊に襲われ危険な所を助けてくれたのが、ラーナシュと同じ三司でアクヒット家のシヴァンだった。アクヒット家とヴァルマ家が敵対している中で、茉莉花は無事にラーナシュと合流し、無事コ・イ・ヌールを返すことができるのか

目次

茉莉花官吏伝 八
 三司の奴は詩をうたう

感想

毎回茉莉花の紹介文から始まるお話ですが、今回はいつもの内容と少し違いました

立身出世物語の茉莉花の紹介文
すごく向上心のある女性官吏になっていました

読み始めた時に、1つ巻を飛ばしたかと焦ってしまいました

予想に反して早々に赤奏国を抜けて叉羅国についた茉莉花ですが、三司について事情を聞いてすぐに襲撃に合い1人になってしまいます。

ラーナシュとの合流を目指し、首都に向かい一人歩いていると盗賊に襲われてしまう。それを助けてくれたのがアクヒット家のシヴァンだった。

ラーナシュが当主を務めるヴァルマ家と敵対中のアクヒット家でお世話になるわけにはいかないと首都まで同行をお願いしてすぐに分かれるはずが、助けてくれたアクヒット家で恩返しとして奉公をすることになる

その時の茉莉花の行動が怖かったです

叉羅国を知るため、観察と理解を繰り返して行う過程がとても異質でした。苑翔景と同じような匂いを感じてしまうくらい・・・

理解の過程を読んでいく方は怖いですが、その過程を知らない登場人物たちの茉莉花へ対する好感度は高いです。茉莉花の行動を怖いと思っている方がおかしいと思われてしまうほどに。

そんな中で完成された叉羅国への理解、そこから感じるラーナシュへ対する疑問
疑問を解消し、目的も果たして前へと進んでいきます

そんな中、叉羅国へ他国からの侵攻計画が進められているというところでお話は次巻へと続いていきます。

ネタバレ含む感想

*ここからはネタバレ要素あります

13番目の愛人

アクヒット家へは始め、愛人として招かれます

それを知らなかった茉莉花は寝所へ入り初めて役目を理解します

軽蔑し、恐怖すると思っていたシヴァンに対し、平然と受け答えする茉莉花

後宮で働いていた茉莉花にとって1人の男性に対し女性が沢山いるのも、いろいろな女性と閨をともにするもの、よくあることで片づけられる問題だった。

落ち着いている茉莉花の言動に、慌てたのはシヴァンの方でした

最初に愛人を強要したのはシヴァンだったのに、相手が予想と違う行動をとると慌てるのは思春期の子どもみたいで面白かったです

作中にシヴァンの年齢は出てきませんが、ラーナシュよりも少し若い印象を受けました。

太学時代の鉦春雪を思い出しました。
きっと良いお友達になって行くのでしょう

光の神子

アクヒット家の書庫を調べている際、歴史書を発見します

そこに出てきた光の神子の記述

それが気になった茉莉花はシヴァンへ詳細を訪ねます

その時に光の神子の儀式があることを知り、そしてそれが絶対に現状では成功しないことを理解し、また二人目の光の神子は未だに現れていない事実を知ります。

坑道の奥の祭壇まで行くのに三日かかる。儀式が始まってから十日後、坑道の出入り口は完全に封鎖される。次に出入り口を開けるのは一年後だ

茉莉花官吏伝 八 第四章

三司が協力したら、光の神子が現れる。それは間違いない。

わかっていても『家』という考え方の為、300年前に光の神子が現れてから次の神子は現れていない。

茉莉花はかなりショックを受けていますが、祭事に生贄というのは昔ならあるのかなという感覚です。

きっと国が平和へ近づくほど、人権というのは保護されていくものなんですね

叉羅国のジャスミン

叉羅国を理解するため、茉莉花は叉羅国出身のジャスミンという女の子の設定を作っていきます。

アクヒット家で働いている使用人の出自や性格を知り、それを掛け合わせてジャスミンを作っていくのですが、その作業がとても怖い

夜中、鏡に向かって同室の女の子の笑顔になるように練習する茉莉花はホラー小説だっけ?と思ってしまうほどでした。

ーー違う。ソマラはもっと楽しそうにしていた。

茉莉花官吏伝 八 第三章

何度かそんな恐怖描写を乗り越えて完成したジャスミン
それが、ラーナシュのおかしい点を見つけるキッカケになるのですが、茉莉花の怖さしか記憶に残りませんでした

芳子星などは叉羅国民視点になる茉莉花を楽しみにしている様ですが、この文章からこの行動は予想できませんでした。

次回

近いうちに侵略戦争になる可能性が高いと判断した珀陽

黎天河に茉莉花を連れて帰還するという任務を与えます。

シル・キタン国が侵略してきた時は連れ戻さなかったのに、今回は連れ戻すのは、白楼国と直接的に関係がないことだからでしょうか?

一応任務は遂行した茉莉花ですが、このまま戦火に巻き込まれて行くのか、天河と一緒に帰還するのか次巻楽しみです。

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この記事を書いた人

シンプルライフに興味がある三児の母
片付けのこと、子どものこと、お金のこと等を備忘録として綴っていきます

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