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廣嶋玲子さんの『妖怪の子、育てます』の感想
今回は、【妖怪の子預かります】の第二シーズン『妖怪の子、育てます』の感想です
『妖怪の子、育てます』について
【あらすじ】
赤子となった千弥を「千吉」と名付け、自身の手で育てる事にした弥助。
妖怪の子預かり屋を続けながら、久蔵や妖怪たちの手をかり懸命に育てていた
そして月日は流れ千吉は6歳となった。
そんなある日、久蔵の双子の娘が黒い影に連れ去られてしまう。
二人を助けるべく、千吉と弥助はある村へ侵入する。
内容
物語の始まりは千弥が赤子になってすぐの時期になっています
赤子(千吉)と共に生きていく決意をした弥助は久蔵に太鼓長屋について相談へ行き、久蔵の所でお世話になることになりました
すぐに月日は流れ、千吉が6歳になった時点からお話は始まります
弥助や千吉の気持ちに触れるような内容や、日常生活などの話が続いた後、久蔵の双子の娘が連れ去られてしまいます
今まで出てこなかった妖怪の力を借りて、千吉と弥助は双子を取り戻すべく奇妙な村へと足を進めていきます
感想
第二シーズンという事で、どんな風に変わるのかワクワクしながら読み始めると、
挿絵が増えてる!
今までなかった挿絵が入っていてビックリしました
(嬉しい反面、電車とかでは少し読みづらくなったかもと、人目を気にする年頃でもないのに思ってしまったり、、、)
妖怪の子預かります第二シーズン「育てます」では、話の内容だけでなく本自体もバージョンアップしていました
主人公は千吉?
今までは弥助に焦点が当てられていましたが、大人になり忙しくなった弥助に代わり、千吉が物語を進めていくようです
本書の最初では赤ちゃんだった千吉もすぐに月日が流れ6歳になり、いろいろと思い悩むお年頃に成長していました
預かります1巻の弥助より年下なのに、落ち着いた雰囲気のある少年です
そんな大人びた雰囲気の千吉ですが、相も変わらず一番に考えるのは弥助のことで、相思相愛ぶりに変化はありません
変わらない妖怪たち
弥助は二十歳?近くなり、千吉も赤子から6歳になり成長しましたが、妖怪たちに身体的な変化はありませんでした
弥助と遊び回っていた津弓と梅吉は変わらぬ大きさで、今度は千吉と遊んでいます
人間とは違い、願えば大きくなるというのが妖怪の生態の様で、
「早く大きくなるな」と月夜公から望まれている津弓が大きくのはまだまだ先のようです
そんな変わらない妖怪たちの中、弥助たちと同じように成長していたのは半妖のみおでした
半妖だから成長しているのか、弥助と共に生きたいから成長しているのか
15歳に成長したみおは、6歳の千吉を牽制しながらも弥吉にアプローチを続けていました
新しい妖怪
今までは出てこなかった新しい妖怪が出てきます
西の奉行所の妖怪で名前は朔ノ宮、
東の奉行所にいる月夜公とは因縁の中のようです
弥助と千吉は朔ノ宮に力を借りて、連れ去られた双子を助けに行きます
今回の話だけではなく、今後も定期的に出てくるようです
次回
新しいシーズンが始まった今作
弥助に代わり千吉を中心に物語が進んでいくようです
次回の話について描写などはありませんでしたが、
弥助を守れるように強くなると決めた千吉が成長していく話のような気がします
まだ千吉に千弥のことを伝えていない二人の関係もどのように変化していくのか楽しみです
ネタバレ含む感想
ここからはネタバレを含む感想になります
ご注意ください
本書は本編と短編で構成されています
本編「妖怪の子、育てます」
短編「鼓丸の独り言」
プロローグ
14歳の弥助が赤子を抱き、千弥が赤子になった経緯を久蔵へ話します
あれほど娘に男は近づけないと息巻いていた久蔵も弥助の決意を見聞きして一肌脱ぐことにしたようです
千弥に頼まれたのもあるかもしれませんが、よい友ですね
一
千吉の弥助への気持ち、そして弥助の千吉への気持ちが書かれている回でした
それぞれが相手のことを大切に思っていることを実感します
でも、千弥のときもですが、言わなきゃ解らないよね
二
老若男女問わず、人の良い所を探して好ましいと思うような人が手の持ち主だったようで、子どもたちや嫁を心配してみんな久蔵の屋敷へと避難します
もちろん千吉もしぶしぶ避難しました
そのため黒守と会ったのは兎姿の玉雪と、弥助のみ
避難しても用心のためと出刃包丁を出しておくように言った久蔵はきっと本気です
三
人間と妖怪の人生の長さを感じ感傷に浸っていたのですが、最後の津弓の術の失敗に全部持って行かれた回でした
とても笑わせていただきました
四
弥助は昔から小さい子にはとことん優しいですね
今回はその優しさが千吉を余計に苛立たせてしまいました
化け雀を痩せさせるためとはいえ、結構ハードな計画を実行する千吉
さすが千弥の生まれ変わりと言わざるを得ません
五
初登場の西の奉行、朔ノ宮
朔ノ宮は月夜公とはとても仲が悪そう
娘が二人ともさらわれてしまった久蔵と初音は自分たちの無力さに打ちのめされます
六
双子を助けるため村へ向かうことになるのですが、危ない場所に千吉を連れて行きたくない弥助は抗議します
その抗議に対して反発したのは勿論千吉
最終的に折れたのは弥助でした
七
やっと一人助け出すも、バラバラになってしまった弥助と千吉
千弥だったら絶対に弥助を置いていくなんて選択肢はなかったはず
そう思うと二人の関係性の変化を感じます
八
敵に捕まったせいで自分の所に来れないと言い聞かせながら行動する千吉
そして子どもたちの情報を手に入れようと捕まりながらも対話をする弥助
弥助は子どもたちが逃げたことを確認できたので安心した様でした
今度は自分が逃げ出すための策を実行するため行動に移しました
九~十
銀音を見つけることができた二人ですが、銀音は何かに操られているようです
そして十では、村人視点で語られる回想になります
なぜ村が奇妙な状態へとなってしまったのか分かる内容でした
十一
お話の一番の見せ場でした
座敷童のとよが出てきた理由がわかり、月夜公と千吉の関係性を再確認できました
弥助はずっと身体張ってるので、ちょっと心配になります
そして結局、良い所は全て月夜公が持っていった気がします
十二
全員無事に帰宅することが出来ました
厄介な人物である黒守と弥助の絡みや、それを聞き帰宅してからの千吉の行動は面白かったです
そして事情を話している間に垣間見える千吉が月夜公へ寄せる信頼を再度感じさせる所もあり、今後どのように関係が変わっていくのか楽しみでもあります
十三~エピローグ
礼儀正しい千吉は、きちんと座敷童のとよが預けたものは何だったのか、その後どうなったのか確認しに行ってくれました
ですが、それはついでだったようで、朔ノ宮に自身が強くなるためにお願い事をします
次の巻からはそのお願いの内容に移っていくのでしょうか
千吉や双子たちの成長が楽しみです
短編「鼓丸の独り言」
短編を読んで最初に思った感想が、毎日おやつを用意してもらえるなんて羨ましいだった・・・
千吉の頼みごとによって起こった双子や津弓の変化について語る回でした
本編では月夜公にいい所を思っていかれた朔ノ宮でしたが、短編では溜飲が下がる出来事がありご満悦のようです