アフィリエイト広告を利用しています
廣嶋玲子さんの妖怪の子預かります8『弥助、命を狙われる』を読んだ感想
今回は、【妖怪の子預かります】シリーズ第8弾
『弥助、命を狙われる』を読んだので感想を書いていきます
『弥助、命を狙われる』について
【あらすじ】
白嵐を苦しめるため弥助を奪うと告げ、姿を消した紅珠。烏天狗たちによる必死の捜索が続くがなかなか見つけられずにいた。千弥は弥助への過保護ぶりを増し、弥助はそれをなだめ普段通りの生活をしたがった。しぶしぶながらも弥助の願いを聞き入れた千弥だったが、少しづつ魔の手が近づいていることに気づかなかった。
今回は久しぶりに弥助と千弥が主人公です
お話自体は本編と短編、あとがきで構成されています
(今回のお話は前巻からの続きになります)
内容
脱獄した紅珠を探すため妖怪奉行所の烏天狗たちはほぼ総動員で捜索にあたります
ですが、残念なことに時だけが過ぎるばかりで、捜査は進展しませんでした
そんな状況で養い親である千弥はいつも以上に弥助に対し過保護になります
長屋に月夜公の力で結界をかけてもらい、家の中だと安心だからと厠へ行くことさえ嫌がります
一方で弥助は普段通りの生活を望んでいました
自身が狙われていることに恐怖を感じているが、怯えて暮らすのは嫌だと言い千弥を説得し預かり屋を再開します
普段通りに過ごしていた二人
ですが、紅珠の魔の手は少しずつ弥助へ迫っていました
感想
前回の続きです
警備の厳しい中どのように弥助の命が狙われるのか疑問に思っていました
前回の終わりのよりに正面からくるのか、それとも弥助を狙うと言いつつ津弓が本当の狙いなのではと、いろいろと考えていましたが、とても巧妙な手段で弥助の命が危険にさらされます
まるで弥助の性格をしっかりと考えた上で立てられた計画の様でした
弥助のピンチ
見事に紅珠の術中に嵌り弥助はたびたびピンチになります
そのたびに警備は厳しくなりますが、あまり意味はなく、弥助は絶体絶命に!
それを見て取り乱す千弥
取り乱した末に月夜公を呼ぶところがとても好きでした
昔のように呼ぶ姿に、そしてその声を聴き動揺しながら駆けつける月夜公にドキドキです
弥助が死にそうになっているのも忘れて二人の友情に打たれてました
ぜひ、読んでほしいです
助けるための代償
紅珠の話はここで終わりますが、弥助を助けるために払った千弥の代償
残念がながら、それがどんなものなのか語られません
とても重いものだと語られるだけで、内容にまで行かないのが余計に気になる所です
お話の最後に匂わせる程度に出てきますが、それを軸に想像すると悲しい結果しか見えません
弥助にも話していないので二人の関係性に変化が訪れそうです
次回
あとがきに次巻の予告があり、残念ながら今回の続きではありません
続きは十巻になり、九巻では短編が沢山はいるようです
初音の出産の話などを・・・と書かれていたので、久蔵のリアクションを思うと今から笑ってしまいます
個人的には今回の続きがとても気になりますが、前回の短編でのお話のように本編にも短編の内容が出るかもしれないので、順番に読んでいこうと思います
ネタバレ含む感想
ここからはネタバレを含む感想になります
ご注意ください
本編「弥助、命を狙われる」
お話は本編、短編の2つで出来ています
本編自体は10個のお話から出来ていました
前回のあとがき通り、弥助と千弥が活躍する話になります
短編では、本編で起きたアクシデントのその後になっており、仲人屋の十郎と前回のお話に出てきた妖怪奉行所の武具師あせびのお話になります
一
茸の妖怪を預かりアクシデントが発生します
そのせいで弥助の様子が変わり余計に過保護になる千弥に、元に戻った弥助がなだめる図はいつもと変りない日常で、弥助の希望通りになっていると思いました
二
弥助に刺さったとげですが、とっても痛そうでした
植物でここまで痛そうな表現はそうそうないのでは?という程に痛そうで、イラストに似合わず怖いと思いました
三
今では右腕ポジションの飛黒ですが、彼にも月夜公に付き合い切れないと思った時期があったようです
飛黒のおかげで今の月夜公があると言っても過言ではないお話でした
なのに苦労が絶えない飛黒さん、、、
四
弥助、ピンチです
今までもピンチにちょこちょこと合っていましたが、今回は命の危険を感じる物でした
五
久々に登場の久蔵ですが、今回も大活躍します
ここから物語は急速に進んでいきます
弥助の大ピンチに取り乱す千弥
「雪耶!雪耶ぁぁぁぁぁ!」
妖怪の子預かります8 弥助、命を狙われる p109
必死な声で月夜公を呼ぶ千弥、その声に反応してすぐに駆け付ける月夜公
友人だった頃を思い出させる場面でした
六
やっと紅珠登場です
どのように紅珠が堕ちていったのかの回想です
七
紅珠の策が実を結びました
毒に侵され気を失っている弥助の身体を使い、紅珠は千弥に提案をします
弥助を助けるために
1.紅珠を倒す
2.月夜公を倒す
2つの提案の内どちらを選ぶのか、この時点ではまだわかりません
八
予想外の展開でした
目玉を取返し、紅珠を見つけに行くと思っていたのに、まさか正面から月夜公と戦うとは・・・
戦いのシーンも地形が変わるのではと思うくらい凄かったですが、そこよりもうぶめとの対話が良かったです
大きな代償と払う、苦しむことになると言い、目の返却を拒むうぶめに対し
「平気さ。今ほどの苦しみはないだろうから」
妖怪の子預かります8 弥助、命を狙われる p147
そんなこと言われたらうぶめも返すしかありませんよ
千弥の愛を感じる場面でした
九
前の話で王蜜の君に声をかけた時点でお判りでしょうが、その予想で合っています
紅珠は今までの戦略が嘘かのように、あっけなく終わりを迎えます
十
久蔵と話していつもの日常に戻った感じがしているのに、小さなシミのように千弥が払う代償が少しずつ迫ってきている
そんな感じで本編は幕を閉じました
続きが気になる終わり方でした
短編 仲人屋のある一日
仲人屋の十郎と、妖怪奉行所で武具の管理をしているあせびのお話です
本編にもからむ形での短編になっています
弥助を守った土鈴が付喪神になった経緯や、十郎の過去が語られるお話です
昔の十郎は商人だと思っていたため、全然違う過去にビックリしました
そして今回のキーパーソンあせびさん
かなり独特のお話の進め方をする人で、さっぱり、きっぱりした性格の姉御様でした
まとめ
題名の通り、弥助は何度も命を狙われていました
読んでいる時は分からなく、あとから明かされる内容で弥助が罠にハマっていることを知れます
千弥がいるから大丈夫と思っていましたが、紅珠の方が上手でした
そんな千弥ですが、弥助の命がかかった時はかなり頭の回るタイプになっていました
二人のせいで月夜公がアホな子に感じる場面も・・・
紅珠のお話は終わりですが、残念ながらまだ千弥の目玉の代償については謎のままです
匂わせて終わり、次に来るのは短編集
早く10巻が読みたいです