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廣嶋玲子さんの妖怪の子預かります9『妖たちの祝いの品は』の感想
今回は、【妖怪の子預かります】シリーズ第9弾、『妖たちの祝いの品は』の感想を書いていきます
『妖たちの祝いの品は』について
【あらすじ】
華佗族の初音姫と久蔵の子がもうすぐ生まれると、気の早い者はお祝いの品を用意し始めました。それぞれが頭を捻らせながら想いを込めた品を準備します。その他、五つの短編が収録された合計6話からなるおはなしです
内容
1.宗鉄の二つ名
医者として活躍する宗鉄をみおが手伝う、そんな日常に予想外の急患と遭遇します
2.玉雪の子守唄
久々に弥助に会えると太鼓長屋に出向く玉雪ですが、弥助が夏バテ中のため千弥により追い出されてしまいました
少しでも弥助の役に立とうと奮闘します
3.鈴白山の冬の客
千弥が弥助と出会って間もない頃のお話です
冬の山をずんずんと進んでいく千弥、ですが幼少の弥助には耐えられるものではなかった
4.うぶめの夜
子どもを守る妖怪うぶめの日常と思いが語られます
5.へちまの受難
貸し道具屋の宗太郎が苦労します
櫛を引き取ったが不吉な感じがぬぐえない
調べていく内に、櫛にまつわる死について知っていく
6.祝いの品
初音姫と久蔵の子のお祝いの用意に、それぞれが奔走します
感想
6つも短編が収録された本書
すべてのお話が少しづつ繋がっていて、続きのように物語は進んでいきます
一番最初のお話から、前回の番外編のようになっていて、
繋がりのないお話が始まると思っていたので、嬉しい驚きでした
うぶめについて
弥助が子妖怪を預かるようになった発端のうぶめ
今までにも物語には出ていましたが、言葉数が少ない妖でした
そんなうぶめを主にしたお話が今回ありました
普段どんな風に過ごしているのか分からなかった日常や、
何を思って子預かり屋をやっているのか、うぶめの思いが分かる作品です
千弥が人間の町に行くまで
弥助のことを考えて人間の町へ行くことに決めた千弥
ですが、季節は冬
真冬の雪山を越えしようとする千弥を引き留めて、死にそうになっていた弥助を助けた妖がいました
弥助と千弥が出会って、少し経った頃のお話ですが、今回のこの話に弥助の出番はほとんどありません
千弥が弥助のことを思い努力する様が書かれていますが、
クスクスと笑ってしまうやり取りもあり、楽しかったです
つながり
始めにも書きましたが、今回の各話はいろいろな物がそれぞれ繋がっています
人だったり、
言葉だったり、
出来事だったり、
と本当に様々です
各話だけではなく、前の巻にもつながる話があるので、探してみるのも面白かったです
次回
前回の巻の紹介でも書きましたが、今回は短編、次回が前巻の続編になります
今回のお話の中にも少しづつ、千弥の記憶が飛んでいるような表現があり、
次回への期待感を高めてくれるものでした
弥助を助けるため、千弥が負った大きな代償
それが次回わかると思うと楽しみです
ネタバレ含む感想
ここからはネタバレを含む感想になります
ご注意ください
1.宗鉄の二つ名
みおに対してベッタリな父、宗鉄
そんな宗鉄の二つ名「親馬鹿医者」
なぜそう呼ばれるようになったのか分かるお話
2.玉雪の子守歌
新しい妖が出てきます
今後、キーパーソンになるかは分かりませんが、今回のお話の重要な役ではありました
そして、前巻の終わりで出てきた千弥の物忘れが、このお話の終わりでも見られました
少しずつ記憶を失っていく千弥がどうなるのか、早く次巻が読みたくなります
3.鈴白山の冬の客
弥助と千弥が江戸へ行く前のお話です
このまま止められることなく進んでいたら間違いなく弥助は死んでいたでしょう
そして人間の町へ行くという千弥があまりにも物を知らないため奔走する一人
千弥に育てられた弥助が無事に成長できたのは彼のお陰だと思う
4.うぶめの夜
今まであまり登場のなかったうぶめのお話です
どんなことをしている妖なのか疑問ばかりでしたが、今回のお話で少し明らかになります
母のような妖であり母にはなれないうぶめが少し不憫に思えるお話でした
5.へちまの受難
弥助がちょこちょこと道具を借りに行くので出てくる貸し道具屋の宗太郎さん
読みながら、「この人、人間だったわ」と再確認
なぜか、あまり人間ぽさを感じないんですよね
6.祝いの品
やっと、初音と久蔵の子が産まれました
長かったー
そして案の定、溺愛する久蔵
子が産まれたので、久蔵の出番は子に取って代わられるのかなと予想中です
今回は全部で6つのお話でした
次回は前巻の続きです
千弥がどんな代償を負ったのか、謎が解けるのでしょうか